第一章 高校教師

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隣の先生は、俺に挨拶するだけして席に座ることもなく職員室を出て行った。 同僚の席が背合わせで並んでいる事もあり、椅子に座ったまま俺にぶつかってきた。 「まったく…いてえんだよ、子供かよ。」 「は?な、あの子また来てる…1年生にも人気があって、まいるな。」 「向こう行ってろ、邪魔だ。」 背中でおしやり、キョロキョロしている…彼女、山咲(やまざき)サクラを指刺した。 「おい、」 自分のほうに来るように呼びつけた。 「美術科は暇か?言われるぞ?」 「…先生探しているの。」 「俺か?」 「え?…先生だったの?フッ…。」 「先生なら、さっき出ていかれたから…で?用事は?何だったんだ?」 「あ…美術室の鍵を。」 「おう。」 俺は立ち上がり、寄ってきていた同僚にわざと椅子をぶつけてやった。 「え?」 彼女は驚いていた。
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