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「…そうか」
「高校は、本当に平和な生活を送れたよ。それなりの進学校だから皆落ち着いてて、勉強が最優先って子ばかりだったから。気楽な関係を築いてた」
今日、慎也と再会した時、あの時代の愚かな自分に戻ってしまいそうで吐き気がした。
もう二度と、誰かの犠牲になって傷つくのはごめんだ。
「もうね、誰にも期待しないし、信じることもしないって決めたの。だから怒ることも衝突もしないし、他人に干渉もしない。
自分が傷つかないために頭使って、計算しながら生きてる。
私が優しいって言われるのは外面だけで、本当は全然優しくないんだよ」
隼瀬は無言のまま、こちらを真っ直ぐに見据えている。
「…とまあ、経歴がこんな感じ。何か聞きたいことある?」
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