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生き残った花びらが散らばってる。
絵の具の箱を広げたみたい。
そのひとつひとつに目を凝らす。どっかに奏くんが隠れてないか、細心の注意を払う。
でもダメだった。
悲しくなったわたしは泣いた。
泣いたら、また願いごとを叶えに飛んで来てくれると思ったのに奏くんには会えなかった。
長い箱の中に奏くんがいる。
閉じてるから目が合わないし、わたしだって気づいてないかも。
それでもそっと近づく。胸に奏くんがくれた花を抱えて話しかける。お母さんもお父さんも奏くんのお母さんとお父さんもみんな泣きだして"ごめんね"ってわたしに向かって謝る。
みんな悲しい顔をして、一緒に並んで奏くんを見つめてる。
心の中で"変なの"って唱えた。
分からなかった。奏くんが今ここで眠っていることが。
なんで、って聞きたいのに、胸が苦しくなってキュウキュウ鳴ってる。悲鳴みたいな音に加えてチクチク刺さって痛い。
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