第三話 大人になった星の王子さま

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「店番してもらえるだけでも助かりますよね」 「ああ、お話やさんも、お姉さんに店番頼んでましたね。そうですね。学生なので、定期的に入ってもらうのが難しい時は、母親に手伝ってもらったりもしてますよ」 「それは安心ですね」 「バイトもまじめに働いてくれる子なので、安心してます」  バイトって、女の子?  ふと、気になってしまったけど、尋ねられなかった。そんなこと気にするなんて何かあるのかと、変な誤解されそう。 「何飲みますか?」 「アイスコーヒーで」  カウンターの上に千円札を置かれたから、いつものようにオーダーを取る。  手の込んだドリンクは提供できない。冷蔵庫からアイスコーヒーを取り出して、すぐに用意を整える。  グラスとクッキーを乗せたプレートを、久保さんの前に置く。簡単なサービスしかできないけれど、だいたいのお客さんは喜んでくれる。彼も例外じゃなかった。 「サービスがいいですよね。お話やさんのファン、商店街にたくさんいるみたいですよ」 「ありがとうございます。姉のおかげでもあるんですけど」 「兄弟っていいですよね」 「はい。久保さんもご兄弟いらっしゃるんですか?」 「……ええ、弟がひとり」  そう言って、彼はストローでアイスコーヒーをゆっくりと一周混ぜる。カラリと氷が鳴ると、その手を止める。 「弟さんなんですね。うちは、言いましたっけ? 2歳と4歳年上の姉がふたりです」 「お店を手伝ってらっしゃるのが……」 「2歳年上の姉です」 「うちは3歳年下です」 「そう言えば、久保さんはおいくつなんですか?」
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