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Blueの花ひらくとき呪いはとけ お前は救われるだろう。 本当に心から愛してくれる人が現れたとき そのBlueの花は、愛する心により、花ひらくだろう。 白髪の穏やかな顔をした老人が呪いによって容姿が醜い獣になってしまった俺に、そう全て悟って予言のように話す。 ♢ そして呪いは解かれた 自分の命と引き換えに 彼女は最後まで愛することを選んだ…… Blueの花ひらいたとき 同時に彼女の息も途絶えた…… 目の前で苦痛も感じず、綺麗な花を咲かせて 彼女は穏やかに長い眠りについた。 彼女を失ってしまって俺が気づいたこと それは、彼女を愛しはじめていたこと その場に跪き、目から涙が流れていた…… 俺はどうしてもっと早く自分の気持ちに気がつかなかったのか、毎日せめていた。 計り知れない後悔が押し寄せてくる…… 絶望とは、こういう気持ちなのだろうか あんなに助かりたいと思っていたが、今は何もかもどうでもよくなった。 「ほう?あんなに助かりたいと思っていたのに、嬉しくないのかね?」 あの時の老人が再び俺の前に現れた。 「俺のことはもうどうでもいい……戻れるなら彼女を生き返らせてくれ……お願いします」 俺は老人に跪き、必死に頼んでいた。 すると老人は、穏やかに微笑み話し始めた。 「ならば、もう一度やり直すチャンスを与えよう。ただ、お前の記憶は消され、彼女の生まれ変わりを探して、愛してもらうことが条件じゃ。そして、互いに愛し合えたとき、Blueの花は咲くであろう」
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