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「約束を守れなかった私を、君は許してくれますか?」
最期にみた夢が君と約束をした時のことだった。もしかしたら、あれは夢じゃなくて、走馬灯だったのかもしれない。
あの場所、あの桜の木、君の格好、君と約束を交わした時の情景がそのままで、あの日の出来事が色褪せていないことに嬉しかった。
「この桜の木の下で、また会いましょう」
そう言って、笑顔で小指と小指を絡めた指切りをした。
桜の雨に降られ、桜の香りの中でした君との指切りは、今思うと、私にとって今際の際の約束だったかもしれない。
心残りなんてない、とは言えないけど、君との過ごした日々は照れくさくて、出会えたことが幸せで、夢のようで、本当に素敵な恋でした。
今の私に残された時間なんて少ないのに、それなのに、君に想いを馳せている心が歯がゆい。こんなことなら、約束なんてしないで、あの日に想いを伝えていれば良かった。
君との約束を果たすことが出来なくなってしまったけど、次に咲く桜の花を見ることも出来なくなってしまったけど、私は消えることない花を咲かせました。
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