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夏。
16才の夏休み。
彼女の存在を意識して初めて迎えた夏。
春先にあったあのことも海辺での出来事だった。
光り輝く砂浜で彼女に伝えられた事。
自分の右眼を見ても彼女は驚きもしなければ、恐れもしなかった。
ただ、事実としてすとんと受けとめてくれた。他の人と同じように、持っている個性のひとつだと言ってくれた。
そういってくれた彼女を自分は受け入れようとはしなかった。
どうしていいかわからなかった。
あの頃は彼女を自分から遠ざけようと必死になっていた。言い争いはしょっちゅう。
必要以上に彼女に冷たくあたった。過敏なまでに彼女との接触を断っていた。
学校にいても、授業を受けていても、何をしていても。それでも彼女は…。
辛そうにしながら、バーンはビール缶を持つ手に力を込めた。
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