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蝉鳴く頃 3
香織とは毎日LINEしていた。
美和が勉強を始めるタイミングでLINEすると、大抵香織も勉強中だという話になる。
それでも、彼氏と一緒に勉強したり、気晴らしに出掛けることもあるようだ。
「いいなぁ…。」
美和はカフェのカウンターデスクに突っ伏して、香織とのスマホのLINE画面を眺めていた。
目の前に手のひらが動いている。
「!!!」
飛び起きると、隣の席に一ノ瀬が笑いを堪えて座っていた。
「やっと気付いた」
まだ目を丸くしている美和は、とっさに言葉が出てこない。
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