旅立ち 6

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旅立ち 6

後輩達との話が長引いた。 別れを惜しんでくれるのは嬉しいことだ。 ただ、彼はもう、教室にはいなかった。 彼の机にあったはずの鞄も何もかもが無くなっている。 もう、遅い。 彼は帰ってしまったのだ。 帰り道、弓道部の同じ卒業生、でもそこまで仲良くはなかった子達と一緒になった。 「私、一ノ瀬くん、好きだったんだよね。」 つい、ぽつりと言ってしまった。 みんな驚いた。 「え⁉︎あの一ノ瀬くんだよね⁉︎」 「矢崎さん仲良かったんだ…」 みんなざわめく。 肝心な人には何も言えなかった。 言えないまま、繋がりは無くなってしまった…。
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