雲の峰 3

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雲の峰 3

19時、5分前。 …うん、無理だな。 美和は30分の間、漢字テストの採点だけで精一杯だった。 期末テストは空き時間にやるしかないな…。 「矢崎先生。私、そろそろ行くけど。」 隣の席の、島津先生が美和に声を掛けた。 「はい、行きます。」 学年会の場所は図書室だ。 各学年、学年会用の部屋は決まっている。 私達3年は毎回図書室だ。 図書室には安達先生、遠藤先生、宮城先生がもう座っていた。 学年会をする時はおやつか出前メニューを用意している。 今日の学年会のお供は遠藤先生持参のロイズのバトンクッキーだ。 「始めましょうか。」 主任が図書室に入ってきた。 「目指せ…20時ね。」 主任が20時と言う時は…大抵終わりは21時だ。 今日は昨日よりは早めに帰れそうだ。
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