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未来 5
警察を呼ぶという言葉が効いたのか、男はぶつぶつ言いながら去っていった。
「あの、ありがとうございます」
スーツの男性が振り返る。
「いや、あっさり引き下がってくれて良かった……え?」
長身スーツの男性も美和も固まった。
「い…ちのせ…くん…?」
「…美和ちゃん…?」
2人ともしばらく止まっていた。
時が止まったかのように。
口火を切ったのは彼だった。
「美和ちゃんは…ここで何を…?仕事は…?」
「私、中3の担任やってて。修学旅行で都内分散の待機してるのよ。」
「1人でやるもんなんか?」
「朝の時点ではもう1人先生がいたんだけど、トラブったみたいで…。そっちにいかれたの。」
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