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未来 9
「今日も念の為24時までは各フロア見回りをしましょう。お風呂は交代で入ってください。」
打ち合わせはお開きとなった。
都内分散で慣れない土地、慣れない電車移動。
さすがに2日目の夜は静かなものだ。
「矢崎先生、お風呂行って」
濡れ髪をタオルで拭きながら遠藤先生がやって来た。
「はい。じゃあお願いします。」
「今日、あれから大丈夫だった?」
「…?と言いますと?」
原宿、渋谷組は特にトラブルの報告は無い。
「ずっと恵比寿のあの辺りにいたでしょ?」
「はい」
「変なのに絡まれなかった?」
「んー…」
「絡まれたの⁉︎」
「絡まれましたけど…何とかなりました」
「え?何その余裕は」
「風呂、早めに出ておいでね」
楽しそうに遠藤先生が言う。
風呂の後の質問攻めを予感しつつ、美和は浴場に向かった。
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