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解夏 2
1日ぐらい、息抜きしたって良いじゃないか?
首元まで出てきたその言葉を母の前では言えなかった。
美和の母は頭が固い。
受験生が花火大会だなんて言語道断!
家の中の空気が悪くなる。確実だ。
そんなことに労力を割きたくない。
美和は母親に対してはある種の諦めを感じていた。
今日の講義は昼間だった。
「ごめん美和、今日はダッシュで帰らないと」
「デートでしょ?今から浴衣に着替えに帰るのね」
「うん、本気で急いでるから、またね」
香織は慌ただしく帰っていった。
1人残された美和。
このまま帰る気にはなれず、カフェスペースに向かった。
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