色なき風 8

1/1

190人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ

色なき風 8

「うーーん…」 渋い顔の香織は考え込んだ。 (それどうなの?チューしといて放置するってそれは美和を任せて大丈夫な人なん?) 「私は…」 迷いながら香織は告げる。 「あんまり良くないと思う…。その人…。」 「なんで?」 きっと香織は手放しで喜んでくれると思っていた。 美和は喜んで欲しかったのだ。 祝福されたかった。 「キスだけしておいて、その後連絡も何も無いんでしょ?」 「うん…。でもそもそも、私、一ノ瀬くんの連絡先知らないし…。」 「LINEのIDも?」 「うん…。」 「うーーん…。」 香織は唸って黙り込んでしまった。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加