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色なき風 8
「うーーん…」
渋い顔の香織は考え込んだ。
(それどうなの?チューしといて放置するってそれは美和を任せて大丈夫な人なん?)
「私は…」
迷いながら香織は告げる。
「あんまり良くないと思う…。その人…。」
「なんで?」
きっと香織は手放しで喜んでくれると思っていた。
美和は喜んで欲しかったのだ。
祝福されたかった。
「キスだけしておいて、その後連絡も何も無いんでしょ?」
「うん…。でもそもそも、私、一ノ瀬くんの連絡先知らないし…。」
「LINEのIDも?」
「うん…。」
「うーーん…。」
香織は唸って黙り込んでしまった。
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