月光 3

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月光 3

佐藤が恐る恐る一ノ瀬に聞く。 「一ノ瀬くん…やるってことで、いいかな?」 「あ、うん…。」 まだぼんやりしている一ノ瀬はそう返事してまた寝てしまう。 山西と木野は顔を見合わせてニヤニヤしていた。 「一ノ瀬くん、何をやるのかわかってんのかな?」 すぐ後ろの席の梨花が美和に小声で話す。 「うん…わかってない…だろうね…」 後で一ノ瀬くんに直接確認しないとだな。 クラスの中では一ノ瀬は「チャラいサボり魔」という印象を持たれている。 美和はクラス中から同情の眼差しを浴びていることに気付いていなかった。 あの一件以来、一ノ瀬と美和はちゃんと話せていなかった。 美和は山西が気を利かせてくれたということに気づいた。
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