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月光 4
ホームルームが終わった。
「美和、大丈夫?組むの一ノ瀬くんだけど…」
恵理は心配だった。
ただでさえチャラい、サボりがちの一ノ瀬だ。
仕事が美和にばかり偏るのは目に見えている。
「一ノ瀬くん、そんな悪い人じゃないよ。」
「へ?」
恵理が目を丸くする。
「美和、一ノ瀬くんとそんな仲良かったっけ?」
「仲が良いかどうかはわかんないけど、予備校が一緒で、たまに喋るよ。」
仲が良いどころかキスまでしている、だなんて言えない。
「…じゃあ、何とかなりそう?」
「一ノ瀬くんが進路委員になったって事実を分かっていればね。」
一ノ瀬の席の方を見ると、一ノ瀬は気持ち良さそうにそのまま寝ていた。
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