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月光 6
「一ノ瀬くん…」
すぅ…すぅ…
「一ノ瀬くん!」
一瞬ピクっと動く。
「一ノ瀬くん!」
「わっ!」
耳元で大きめに呼んで、やっと起きた。
クラス中の視線が美和に刺さる。
「……矢崎さん?」
「やっと起きた」
「……えっと…何かあったんか?」
「あったも何も…一ノ瀬くん、さっきのホームルームの内容覚えてる?」
「……寝てたからなぁ…」
笑って誤魔化そうとする一ノ瀬に美和は呆れ気味に一緒に笑う。
「一ノ瀬くん、進路委員になっちゃったのよ?」
「へ?進路委員?…て何?」
「進路絡みの雑用…たぶん…」
「で、なんで俺?」
「山西くんが推薦してた。」
「おい!山西!」
山西くんはニヤニヤして手をピースにするだけだ。
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