月光 8

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月光 8

一ノ瀬くんの青ペンを借りて、彼のノートの隅に私のスマホの番号とLINEのIDを書いた。 「番号とID、両方あれば何とかなるでしょ。一ノ瀬くんのは?」 「…俺の番号、山西わかる?」 「マジか。自分の番号ぐらい覚えてくれよ。」 「今は余分なことに脳を使いたくなくてさ」 「必要事項でしょ…。山西くん、教えてくれる?」 美和は一ノ瀬の番号を山西から教えてもらって、やっと登録できた。 「じゃあ、一ノ瀬くん、進路委員よろしくね。」 美和はどっと疲れてしまった。 何故だろう? 予備校で二人だけで話してる時と全然違う感じがする…。 もっとしっかりしてたような。 さっきの一ノ瀬くんはただのチャラい人でしかないというか…。
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