月光 11

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月光 11

予備校の建物から外に出ると、風が吹いた。 「もう、結構涼しいね。」 「すぐ秋だな。半袖はそろそろ寒いね。」 車通りは少なく、月明かりが美和と一ノ瀬を照らしていた。 「矢崎さんが受けるの、地元だけ?」 「うん…弟いるからね…」 「そっか…」 「一ノ瀬くんは、関東だけ?他の地方は受けないの?」 「高校卒業したら東京住みが確定したんだ。」 「今住んでる所は?」 「家族みんなで引っ越すんだ。」 「そっか…」 一ノ瀬が足を止める。 美和も足を止める。
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