190人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
風花 8
美和が過去問を解き終えて答え合わせをしていると、一ノ瀬の視線を感じた。
集中力が切れてきたのは一ノ瀬が先だったのだ。
「……。一ノ瀬くん?」
「俺、集中切れたかも。」
程なくして、彼はテーブルに突っ伏した。
「ちょっと待ってて。答え合わせもうちょいかかるかも…」
「俺、寝てるわ…」
またもやすぐに寝息が聞こえ始めた。
今日もなんて寝付きの良い…じゃなくて、答え合わせ進めないと…。
一ノ瀬の肩をポンポンと叩く。
「一ノ瀬くん、終わったよ。」
「んー…」
「ねぇ、一ノ瀬くん…」
一ノ瀬はうっすら目を開ける。
「ああ、美和ちゃん…」
そのまま美和を抱き寄せる。
が、カフェスペースの高めのスツールに座っていたのでかなり中途半端な姿勢になってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!