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最後の一年
そうだった。
結局のところ、私は何もしなかった。
自分で動こうとしなかった。
見てるだけ、だなんて。
何もしていないのと同じ。
目が覚めるのが遅過ぎる。
彼がいなくなって。
初めてやっとわかった。
もう、何も出来ないのだ。
こんなに遠く離れてしまった。
彼も私も、自ら選んだ道。
もう交わらない。
今はもう、届かない。
高校3年生の春。
私達は出会った。
チャラついてる割に、私に声を掛けるだけで顔を真っ赤にしていた彼。
恋愛に免疫の無い私。
どうしたらいいかもわからず。
ただ何もしないだけだった。
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