ほろにが蝶

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眠りから覚めると、森の木陰で横たわっていた。 まどろむ体を起こし、小川の水面に姿を映してみると、あどけない少女が瞬きをしながら自分をのぞきこんでいた。 (私、生まれ変わったの……?) 白い肌に、長いまつげ、黒くて繊細なチュールレースのワンピース。 アゲハ蝶だった私の姿は、形を変えてそこに存在していた。
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