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サヨナラを言って
貴方には言うべきかずっと迷っていた。
そんなに好きでもない人たちの周りで居て、窮屈にならないのか、って。
それについては、そうだね、
ねぇ、なんで家族なんてものを大事にしなくちゃいけないんだろう?
…さぁね。僕にもよくわからない。好きでもない人たちの言う意見に同意できないのに、している僕ってなんて惨めなんだろう、そう想う。
弟さん、嫌い?
…あんまり、好きじゃないね。そう言う僕はすごく素直に君に話している。
弟が僕のことを下の名前で呼び捨てに呼ぶようになって違和感を感じだしたんだよ。生意気にも限度がある。そう言う教育を彼に仕込まなかった、自分は悪いがな。少し考えながら、彼は言うべきか迷っていたことを、唐突に語り出した。
昔、あいつに性的なイタヅラをしてた。
…知ってる。
あいつは本当はそう言うことをされる事に嫌がってないところがあった。
そんなことはどうでも良いが、自分は段々そう言うことをしてる自分が悪いと、思い出した。だから、辞めた。でも、あいつはされたがっていた。無理矢理オレにイチモツを口に押しつけて来た時があった。それでオレは、初めて気分を害して、怒鳴った。
だんだんオレのフラストレーションが昂って来て、ある時、ほんの些細な、彼がオレの持ち物に傷をつけた時に、奴に向かって、包丁を取り出し、向けた。あいつは本当にびびって、一目散に離れて、僕は笑いながら冗談だよ〜と戯けていた。
あいつの目は、明らかに動揺していた。
俺より腕っ節が強くなっても、人は簡単に殺せる。
そこまで言い終わると彼は最後に、私を見て、ほっとした様な笑顔を見せた。
話を聞いてくれてありがとう…今なら、君に話しても良いと思った。そして、ごめんね、と彼は目に涙を浮かべながら、小刻みに震える手を隠し、私の背中に腕を回し、ギュッと抱きしめた。
アッタカイ。
愛してるよ
ありがとう…
おやすみ、本当にありがとう。
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