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「だ、だっ大丈夫ですっ。ここ、もう家なんでっ」下を向きながら苦しそうに平田が言った。
「平田君、今日はありがとうね。お大事にねっ」
ドアが閉まり、車が発車した。
「はぁー。今日は色々ありましたねぇー。平田君があんなことになるとは……。それにしても、ひかり様、かわいすぎでしたー」
相変わらず優子は安藤ひかりに会えた嬉しさで終始夢見心地だ。
私はさっきから心に何かが引っかかっている。
平田のあの言葉。
相原さんのーーー。確かに平田はそう言った。多分。
いや、絶対。はっきりとそう聞いた。 それって、どういう意味?
笑わそうとした? 酔っ払った平田が私を笑わそうとして言ったの?
そうか。そうだ。 そうだよね。
ーーーなんて、変態極まりないし、本当だったらキモすぎる。
そうだよ。別に深い意味なんて無いはずだから、何も考えなくていい。
***
「なぁなぁ、平田だっけ?」
クラスの派手グループの中心的な存在の林タケルが、教室の右端の座席にいた平田に声をかけた。
平田は一瞬ビクッとなり、「はっはい……」と、どもりながら返事をした。
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