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ミカるんのおかげで平田とは、学校では以前と変わらず交流は無いけど、ミカるんのイベントで会う度に優子と平田には友情に近いものが芽生えているのかもしれない。
またそんな優子のおかげで、もれなく、私も平田と関わることが増えた。
今までは今日みたいな光景を見ても、なんとも思わなかったのに。
なんとなく、平田が哀れで切ない。
***
「シオリちゃん、今日で最後だね」先生は少し笑いながらそう言った。
本当に最後? 今日で最後?
「大丈夫だよ、シオリちゃんなら今の成績、俺がいなくても取れるよ。頑張ってね」
先生がいなくても? そっか。今日が最後。本当の本当に最後。
無意識に先生の親指の爪に視線を向ける。
なんて、綺麗なんだろう。ゾクゾクした。
この半月みたいな白い半円、緩やかな円の角度のつき方。 あぁ、たまらない。
すっごく、舐めてみたい。
「ん? 親指、どうかなってる?」
先生は私の視線に気がつき、自分の親指を立てて眺めた。
「先生、あの」
「んっ? どうしたの?」
「先生の親指、舐めてみたい」
「えっ?」
気がついたら声に出していた。親指にやっていた視線を先生の顔に移した。
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