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すれ違う生徒達には目もくれず、無言で教室に入り、席に着く。
入学したばかりの頃は、何人かのクラスメートと会話を交わしたが、誰かといること自体が落ち着かず、一人でいることを選んで、今に至る。
四十人近くの生徒が次々に別の話をしているので、騒がしいのはいつものことだ。授業で必要な物を机上に並べ、引き出しからB5ファイルとA4サイズの紙を取り出す。ファイルに挟まっているルーズリーフを抜き出し、紙に書かれていることを写していく。
――テストもあったし、なかなか書く時間がなかったんだよな。
彼女が書き写しているのは銃器に関する情報である。
実際の銃器を扱えるようになって、誰かの役に立ちたい。
しかし、そんな願いが叶わないということは本人が理解している。
チャイムが鳴る三分前、榴は机上を片づけ、授業に取り組んだ。
「榴! 学園長がお呼びだ。荷物は持ったままでいいからさっさとこい!」
先生からの呼び出しがかかった。
「学園長ですか!? 悪いことをした覚えはありませんよ!」
「急な呼び出しなんだからしょうがないだろ! ……ほら着いた。詳しいことは本人が説明してくれる。俺は用事があるからこれで。また明日な」
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