ご支度

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ご支度

 芽衣は真子に恐る恐る、福岡ひとり旅の行くとこリストについて伝えた。真子に不快な思いをさせないか、不安な気持ちが強かったが、真子の返事は意外なものだった。  「いいじゃない。東京での暮らしも飽きてきたしね。たまには違う空気も吸いたいわ。」  「真子様に気に入っていただけてよかったです。それでは、出発が来週金曜日の朝になりますので、それまでに持ち物のご支度をお願いします。」  「持ち物の支度もめんどくさいから、あなたやっておいて。」  「か、かしこまりました…。それでは、来週のうちにスーツケースに支度して、お部屋に置いておきます。」芽衣はやれやれと深くため息をついた。しかし、真子に中洲屋台でラーメンを食べに行くことの了承を得られたことで一安心していた。
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