0人が本棚に入れています
本棚に追加
「んっよし!これで伝わった!
にしても暗い家だね
ほぼ真っ暗じゃん」
「今まで外にいたからね」
「お父さんは?」
「…知らない」
「そっか
…おじいちゃんおばあちゃんは?」
「母さんより先に行ったよ」
「じゃあ、一人?」
「そうなるね」
「…さみしいね」
「そうだね」
「じゃあめちゃくちゃ遊びに来て良い?」
「なぜそうなる?」
「だってダメだよ
こんな暗闇の中じゃ
お母様っぽくないじゃん」
「独り暮らしなんて
こんなもんよきっと」
「もっと明るくしないと
電気全部付けちゃう?」
「電気代というものを
あなたは知らないのですか?」
「じゃあ雰囲気だけでも
明るくしよう!」
「なにするつもり?」
「内緒!
また今度持ってくる!」
「また今度があるの?」
「もちろんよ
拓磨くんのためじゃないから!
お母様のためだから
誰かさんのせいで規制あったけど
今もう会いたい放題だし」
「…んまぁそれはそうだけど」
「それともまただめっていうんだ?
へぇ~」
「分かったよ
めちゃくちゃ遊びに来るのは困るけど
たまにならね」
「それでよろしいぞ
ちゃんと来るときは行くから
無理に押し掛けることもしないし
予定も考慮するよ?」
「それを聞いて安心した」
「どういう認識だったんだ私」
「勝手に来て
勝手に荒らして
勝手に去っていく感じ」
「竜巻か私は」
「近いかな」
「ひどい!最低!
お母様に報告!」
「もうそれはわかったから」
最初のコメントを投稿しよう!