一言目、開幕。

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「……そうですか、そう言うのですね。では貴方はどの様な呪いを望みますか?」 「私の妻子を傷付け命を奪った男を……呪い殺してください」 男が重々しく開いた口から発せられた言葉は淀み無く、明確な殺意と共にあった。 「分かりました……人の命を奪うのなら貴方の命を対価とさせていただきます……宜しいですね?」 「はい……私は全て貴女に捧げます……黑の魔女様……」 男が跪いたままそう答えるや否や森の入り口の植物は蠢き全身に絡み付きゆっくり、的確に首を締め上げながら最も近くにあった木に取り込まれていく。 男は苦悶の声すら漏らさず、穏やかな顔で木の1部となりゆっくり美しく、そして愚かに命を散らしていく。 大木からは青白い火の玉のような物が現れればそれを掴み飛び去る鮮やかな光沢を持つ鴉。鴉はただ黙々と、森の奥に飛んで行き古びた屋敷へ飛び込む。 「ありがとうございます……そこの瓶の中に入れてくれますか?」 「仰せのままに」 鴉は器用に嘴で瓶の蓋をこじ開け掴んできた青白い火の玉のような物……男の魂を中に入れ蓋をする。
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