最終章 逃避行

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いつか、こうなることは予想していた。 周りにバレたら家を出て行こう…と。 荷物はまとめていたし、"準備"していたのだ。 春一から着信。 『もしもし、姉貴?今どこ?』 あぁ、春一にもバレたのか。 「言いたくない」 『姉貴、最低だよ!何でお父さんを殺した犯人と会ってたんだよ!』 「好きだから」 これは本心だ。 『は?意味分かんねーよ。とにかく、もう会うなよ』 「嫌だ」 『姉貴!!俺達、アイツのせいで人生壊されたんだよ!?目覚ませよ!!』 「春一…」 私は小さく深呼吸をした。 「ごめんね…最低な姉で」 『あと、雄一さんと映理さんを自殺に追いやったのは姉貴?』 「さあね」 『保釈金は?』 「知らないわ」 『とにかく、今すぐ帰って来いよ!!話になんねーから』 「もう、帰らないわ。春一は私の分まで幸せになってね」 『え、おい…姉』 私は、一方的に電話を切った。 目の前には、私の愛しい武本くん…。 「武本くん、行こう?」 私達は、同じ場所に向かうため汽車に乗った。 「武本くん…大丈夫?」 汽車を降りて、ある旅館を探す。 『こう言っちゃ駄目かもしれないけど、映理が居なくなってホッとしたというか…安心しているんだ』 「そう…良かったじゃない。あ、ここじゃないかな?」 汽車の中で旅館に電話して予約をした…。 ここで一日を過ごし、これからの事を考えるのだった。
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