第4章 心理戦

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-------------------- 映理side ずっと待っていたチャイムが鳴った。 今日は、直哉が帰ってくる日だった。 予定より早く帰ってきてくれて嬉しい。 お金は誰が払ったのか未だに分からないけれど。 どれ程この日を待ち望んでいたか。 私は走って、ドアを開ける。 「おかえりなさい」 久しぶりに会った直哉は、以前よりも痩せて細くなっていた。 「ご飯の用意が出来ているけど、どうする?」 直哉は靴を脱ぎながら、『先に風呂入りたいかな』と弱々しく笑った。 「そうかもしれないと思って、お風呂も入れるようにしたよ」 『…映理』 「何?」 直哉は私に近付き左頬に触れた。 『どうしたんだ?この傷』 「あ…これは」 この傷は、あの男達に襲われた時に出来た傷…。 「ちょっと転んでね。もう痛くないよ。それより早くお風呂に入って休んだ方が」 『あ、あぁ。入ってくる』 直哉の後ろ姿を見送った後、この傷はそんなに目立つのだろうか、と鏡を見た。 「うーん…あんまり目立たないと思うんだけどな」 そう言いながら、夕御飯の準備をした。
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