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確かに、もう何もしたくない気持ちがあったが母と春一を見ているからか「私はしっかりしなきゃ」と思ってしまう。
母はずっと泣いているからか腫れた目のまま歩いているのだがフラフラしていて、私が支えながら歩いている。
春一は、まるで幽霊のようにボーッとしていて注意していないと何処に行くか分からないので目で追っていた。
葬儀が終わり、家に帰る人達を見送り、私と母と春一、そしておじいちゃんおばあちゃん、少数の親戚達は泊まる事になった。
『何で、誠一だったのか…』
おじいちゃんが、遺影を見ながら呟いた。
『親より先に逝くなよぉ』
誰もが無言だった。
話す気力も無さそうに、周りの人達はじっと座っている。
「春一、ちょっと」
『何?』
「相談が…」
周りの人達には何も言わずにそっと春一と2人だけで部屋を出た。
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