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二人で部屋に戻ろうとすると、なにか言い争っている声が聞こえた。
『だから!!それはどうなるんだよ!!』
部屋に入ると、壁にもたれ掛かって一点を見つめている母以外、全員立ち上がっていた。
『俺達は貰う権利があるだろうが!!』
「…どうしたの!?お母さん」
『あぁ、依智花…皆、遺産の事をねぇ…一体なんだってお金お金ってさー』
「お母さん…。ちょっと!!今お金の話なんてしないで下さい!!今言われたって困るから!!」
周りの人達を睨んで言うと、皆私の方を向いて怒った顔をした。
でも、私は負けない。
お母さんは泣いているし、ここは私が言わなきゃ。
『あらぁ依智花ちゃんじゃない。貰える人は良いわよねぇ。しかも誠一さんは一人っ子だから貰える額も大きいわけで~』
『子どもは黙ってろよ!!』
『そうだ、そうだーー』
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