第1章 幕開け

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これでも、食べられるようになったのだ。 あれから二週間経つが始めは何も食べられなかった。 食べたとしてもすぐに吐いてしまったり、『いらない!!』と叫んだりしていた。 それでも挫けずに私は母の側に行っていた。 ゼリー1個でも大きな進歩なのだ。 母が眠った後、高校の時の卒業アルバムを手に取った。 当時、武本くんを好きだという事は数人にしか言ってなかった。 普段から何でも話している母にも話していて、初めて、言った事を後悔した。 「あの時、言わなければ良かったなぁ…」 武本くんが載っているページを探した。 「あ…本当、カッコイイなぁ」 思わず目を細めてしまう。 この時は、茶髪だったよね…。 今は黒に戻していたけれど。 どっちもカッコイイ…。 「やっぱり、好きだなぁ…」
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