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朝起きると、台所の方で音がした。
「…春一?」
そう問いかけると、春一はゆっくり振り向いた。
「ご飯作ってくれてるの?」
春一は、私のエプロンを付けてお皿を持っている。
『うん』
「私が作るのに」
そう言うと、私は春一の方へ近付いた。
卵焼きの匂いがする。
『お母さん…今日も食べないかな』
「うん…どうだろう」
寝室の方へ行くと、まだ母は眠っていた。
居間に戻ると、春一は皿に盛りつけたおかずをお弁当箱に詰めている。
『これが姉貴の分』
と渡されたのは、私が高校の時に使っていたお弁当箱だった。
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