39人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいなぁ」
羨ましかった。本当に大好きな人と結ばれた梨代那は。
『いいなぁって、依智花だって相手が居るじゃない。付き合って何年だっけ?』
「えっと、19歳の時からだから、4年くらいになる」
『えー長いじゃん。結婚しないの?』
その時、ちょうど梨代那のミルクティーが運ばれてきた。
店員に『ありがとうございます』とお礼を言い、ミルクティーを一口飲んだ梨代那をずっと見ていた。
…結婚?
『え、依智花どうしたの?私、何かまずいこと言った?』
「ううん。違うよ!!…結婚はしないと思うの」
『何で何で!?』
梨代那は、付け睫毛が真上を向くくらいに目を見開いて聞いてきた。
何でって言われても…。
「うーん…何となくかな。先の事は分からないよ」
『そっか…ね、そういえばさ…いや、聞かない方がいいか。依智花、思い出しちゃうもんね』
「あ、武本くんの事?」
最初のコメントを投稿しよう!