第2章 別離話

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あの事件から3ヶ月が過ぎた。 冬の季節は寒いから嫌いだ。今は体だけじゃなくて心も寒いから…。 春一は、あれから何度か顔を見せに来てくれる。 帰り際、春一が言った。 『これからも時々泊まりに来るよ』 「そんな、無理しないで。しーちゃんだって春一が居ないと淋しいだろうし」 しーちゃんとは、この3ヶ月の間で1度だけ会った。春一の彼女。 この家に来たのだ。「羊羮」を持って挨拶に来てくれたのだった。 小さくて可愛らしくて、しっかりした子だった。 『汐里は、ちゃんと分かってくれているから。それより、心配なんだよ』 「お母さんの事?」 『姉貴の事だよ』 「私?」と笑って聞き返した。 何で…私は春一に少しも弱さを見せていない。 『姉貴、何か無理しているように見える』 「大丈夫だよ?私」 『何でそんな強がるんだよ。俺は頼りないかもしれないけどさ』 「私は自分の力で立ち直りたいだけなのよ」 そうなのだ。 実際、私の気持ちなんて誰も理解してくれない…。 100%皆が反対する。 『姉貴はすごいな。一人で何でもしようとする』 「春一だって偉いじゃない。しーちゃんと一緒に暮らしているんだもの。もう、大人よ」 春一は『じゃあ、また連絡する』と言って帰って行った。 『何か無理しているように見える』 その言葉が、ずっと心に残っている…。 私は本当に大丈夫なのに。
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