第2章 別離話

3/20
前へ
/95ページ
次へ
「はぁー…」 今日の朝から…いや約束した日からずっと気分が沈んでいる。 『あれ、本条さん気分悪い?大丈夫?』 「え、あ…大丈夫です」 1ヶ月前に決まったこの仕事(スーパーの品出しやレジをしている)にも慣れ、最近仕事を全部覚えたのだ。 仕事にプライベートを持ち込んではいけないよね。 『もし、具合悪かったら言ってね』 「ありがとうございます」 私は礼をして品出しをしに行った。 今日は、残業をしたい気分だ。 『本条さん、もう上がっていいわよ』 「あ、でもこの分の品出しが」 と言って、箱を見せた。 今日残業したいのは給料が欲しいんじゃなくて帰りたくないだけ。 『大丈夫よ。私がやっておくから』 「ありがとうございます」 あんまりしつこく言うと残業代目当てだと思われるので止めておいた。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加