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「さっぱりした?」
『あぁ』
お風呂から出てきた直哉は、部屋着を着ている。
久しぶりの対面。
私は直哉に抱きついた。
「すごく、会いたかった」
『…今までごめんな。俺のせいで』
「ううん、大丈夫。私はずっと直哉の側に居るか」
「居るから」と言おうとしたのに、直哉は私の体を引き離した。
「直哉?」
『映理、やっぱり俺達別れよう。その方が良い』
「イヤよ!!嫌だ、絶対別れない!!」
私は、そう叫んで直哉に背を向けた。
離婚は絶対嫌だよ。
すごくすごく大好きなんだから、側に居られることが今とても幸せなのに。
『映理、お願いだ。俺…』
「私のため?前言ってたよね?私、全く平気よ!直哉の側に居られるのなら私はどんな事だって」
『俺が嫌なんだよ!!』
あまり怒らない直哉が声を荒げたのを見たから何も言えなかった。
『俺が嫌なんだ。一生、映理に気を使って…負い目を感じて。辛いんだよ。今すぐ、じゃなくていいから。俺達、離婚しよう』
私は、首を縦に振ることは出来なかった。
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