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『武本の妻です』
「え…武本くん結婚してたんだ」
私は、その女性に近付きじっくりと観察をしてみた。
私の2倍くらいありそうな大きな目。
茶髪が似合っていて、ロングヘアーで…しかも艶のある髪に羨ましさを感じた。
それと同時に、心の中に沸き上がった…
「この女が私の大好きな武本くんを奪った」という憎しみの感情。
「何の用ですか?」
『あ…えと、私もその時一緒に車に乗ってたんです』
「だから?」
春一には奥に行くよう伝え、その女性を思いきり睨み付けた。
「何も聞きたくないし…もう早く帰ってください」
何で武本くんの親達には何も思わなかったのに、この女だけには苛々するんだろう。
それ程、自分が武本くんの事を好きだったなんて。
これは「嫉妬」だ。
顔も見たくなかった…武本くんと結ばれて幸せに暮らしている人を知りたくなかった。
『分かりました。本当に申し訳ありませんでした…』
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