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世界的なミスコンの日本代表を争うレベルの女性たちともなれば、容姿にかける費用も相当なものであるし、高学歴だったり、楽器の演奏が一流だったりなど、プロフィールを充実させるための投資も半端ではない。
みどりも、惜しくも準ミスになったとはいえ、そういう世界で戦える財力を持った家のお嬢様のようで、山崎の生活の面倒を見るぐらいは何とでもなった。
あの日、花咲が出してきた提案は、みどりを本当の意味で開花させようというものだった。
「そもそも、基本的なアイデアは、業界の事を知る二ノ宮様でなければ出せません」
そのうえで、山崎がゴーストライターをしたのでは二人とも開花できず、開花生活コーディネーターとして黙って見ているわけにはいかないというのだ。
「どうでしょう、山崎様が、編集部の担当者のように、付きっ切りで完成までアドバイスをされては?」
山崎は考えた。
準ミスの美貌という話題性があったにせよ、みどりには次回作を期待させる何かがあったのではないだろうか?
それは、自分がゴーストライターとして小説を書いてしまったら活かすことはできない。
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