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女性に容姿の美しさだけで順位を付けるのは女性蔑視に当たるという風潮があり、世界的なミスコンにおいては、容姿以外の才能や魅力も求められる。
勉強やスポーツ同様に、容姿の美しさというものも、持って生まれた才能を努力して磨き上げたものであり、それだけでも評価に値する能力だと思うのだが、時代の流れなので仕方がない。
しかし、みどりは容姿以外に、これと言ってインパクトのあるものを持っていなかった。
適当に特技を詐称することも考えたが、音楽やらダンスやら語学に堪能だのと言った特技は、その場でパフォーマンスを求められたらすぐに嘘がバレる。
そこで目を付けたのが作家だった。
ライブでパフォーマンスを求められる能力ではないし、美貌に知性という箔をつけることができる。
「いいわね、わたしにピッタリだと思うわ」
みどりの応募書類に、作家として大賞を受賞した経歴が追加された。
あれから一か月、まとまった金を手にして人生の再出発を誓った山崎は、不況で思うような就職先を見つけられずにバイトの日々を過ごしていた。
上手くいかない現実のもどかしさに、気が付くとパソコンに向かって小説を書こうとしてしまう。
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