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空を飛ぶ夢はどこか不思議だ
一見自由に思えるが実はそうじゃない
結局のところすべて風の向くまま
そこは重力に見放され
着地することさえ赦されない場所
つまり、永遠に空へと追放される夢だ
大気は泥沼式に重くなり
羽の抜けた身体はまるで鉛のよう
高角度から見せつけられる他人様の幸せ
そこに辿りつくことも出来ず縛りつけられ常に独り
そして墜落することなく天に足掻き続けるだけの夢
なぜ地べたに這って人は生きるか
空で孤を食むたびに思い知らされる
生きているということはこれほどまでに熱い
人を愛することも人に愛されることも
誰かのために命を投げだすことも
すべては地上に生きていることの証なのだ
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