彼女が咲かないことを祈る

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 返事はすぐにきた。  「寄生花とは珍しいのを見つけてきたね。」  「友人の身体にこんなのが生えてるんですけど、何か知りません?」  「サトウくん、肌を重ねた女性を友人呼ばわりは流石に非道くないかい?」  「重ねてねーよ。」  「おや、では友人の女性の肩を覗いて廻るのがキミの趣味なのかい? 貴重な発見が出来たのは幸いだが、そういうフィールドワークを学生がすることは、教授としては見過ごせないね。」  「変な花が肩から生えたって相談されたんですよ。なんか知りません?」  「うーん、予想はできるけど断言はできない。そのジャスミンのお嬢さんさえ大丈夫なら、研究室に連れておいで。」 教授の返信で連れて行きたくなくなったが、 他に頼れる人もいない。我慢するしかないか。  「タカハシ、昔からの知り合いの大学教授で、 変わった植物の研究ばかりやってるひとがいる。変人だけど この花についてわかるかもしれないって言ってる。 そのひとの研究室に行ってみる気はない?」  「サトウの大学の先生?」  「いや、昔から近所にいたってだけで大学はちがう。」  「うん、サトウの知り合いならいいよ。」 そういうとタカハシはすぐに出かける準備をはじめて、 三十分後には教授の研究室に向かうために電車に乗り込んでいた。
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