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10~20分くらいだろうか、たっぷり休んだら調子が安定してきた。
後で思うに、最初から飛ばし過ぎたのがよくなかった。水分不足、寝不足、そんな状態でガツガツ動いたら、そりゃ倒れそうにもなるって。
おそらくあの時、軽い脱水症状を起こしていたと思う。
「うん、大丈夫、行こうか」
「大丈夫?」
「もしきつくなったら、また止まるかもしれないけど」
「いいよ、いいよ。無理しないで行こう」
その後も、階段のような道が続く。むしろ、登れば登るほときつくなる。
「くまちゃん、よかったらこれ使う?」
S子が、リュックの横からトレッキングポールを出した。
「私はまだ平気だから、使っていいよ」
両手にポールを持つと、体の支えにもなるし、4足歩行状態になって足への負担も軽減される。
「わ、これは歩きやすい」
段違いである。
「ごめん、もっと早く出せばよかったね」
「いやいやいや」
「もうすぐだよ」
「はえ?」
息が上がりすぎて、まともに声が出ない。
「ああ……着いた!」
S子は余裕だが、私はヘロヘロである。着いた瞬間に座り込みたかったが、それでは通路の邪魔である。ポールをつきながら、奥までヨタヨタ進んだ。
「うわあ、なにこれ!」
景色を見た途端、疲れが吹き飛んだ。
↓S子撮影。これが天下の秀峰、金時山。そしてその先の、富士山。![9b80feb2-e176-4b10-8285-e35639592aae](https://img.estar.jp/public/user_upload/9b80feb2-e176-4b10-8285-e35639592aae.jpg?width=800&format=jpg)
![9b80feb2-e176-4b10-8285-e35639592aae](https://img.estar.jp/public/user_upload/9b80feb2-e176-4b10-8285-e35639592aae.jpg?width=800&format=jpg)
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