山歩きの話~その3.寝不足・水分不足の金時山~

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 話し合いの結果、私たちはホテルおかだに併設されている、日帰り温泉に行くことににした。  このホテルおかだとは、前月に母と祖母を連れてきた、ふるさとの系列である。 (https://estar.jp/novels/26005864/viewer?page=96)  あの時は車で行ったが、湯本駅からもシャトルバスが運行している。  片道100円。並んで待って、満員か定時になったら出発する。  あの辺りは、ズラリと宿が並んでいるから、途中で人を下ろす。  だから先に、目的地を運転手に伝えておくのだ。  温泉に到着。まず私たちがすべきことは。 「先に食べよう!」 「それから風呂入ろう!」  中の食堂に入って、S子はとんかつ定食を、私は天ぷら定食を注文した。  バリバリの揚げ物だが、何のその。私たちはたった今、山登りをしてきたのだ。  2人ともパンと、お菓子しか食べていない。  これくらい食べて、ちょうどいいだろう。  なお、その後の温泉が気持ちよかったことは、言うまでもない。  湯本駅まで戻ってきた。  ロマンスカーはすでに予約してある。  時間まで、せっかくなので土産を買いつつ過ごすことにした。 「ねえ、あれ気になる」 とS子が言った。 「食べようか」 「せっかくだしね」  さつまいもを使ったスイーツやアイスを売っている『箱根おいも大学前』。箱根が芋の産地とは聞いたことがないが、まあ観光地として食べ歩きできる店を作ったのだろう。  それより、さつまいもソフトが気になって仕方ない。 ↓S子撮影。カップに入ったソフトに、逆にコーンを被せるスタイル。69c34aad-8fe9-46d1-9f8e-a21809a76d31  美味しい。温泉で温まった体に、アイスの冷たさがいい。さつまいもの甘みがしみる。  私たちが食べ終わったくらいに、店がシャッターを閉め始めた。  時刻は、18時。なんと、閉店ギリギリだったのか。  当然、知らない。偶然だった。 「よかったね、食べられて」 「どうしようかなんて言って、モタモタしてたら食べられなかったかもよ」
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