日帰り温泉&焼肉プロジェクト

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 まずは、私の家に集合することとなった。  荷物は全て家に置いて行った方がいいだろう。  東京に来るたびに、駅で彷徨うN子。今回も例にもれず。 「新宿でホームに降りてね、京王線って書いてある方に進んだのよ」  道中、お昼ご飯に買ってきた、マックの旨辛肉厚ビーフ&ザク切りポテトを頬張りながら言う。 「そしたら、いつの間にか京王線がなくなってて、全然違う出口に向かってたの」 「何でよ」  辛いもの苦手な私は、スモーキーペッパーチキンを食べている。あと、ポテト。 「京王新線と見間違えたんじゃないの?」 「いや、それはない、前に1度やらかしてるから、それは気を付けてた」  じゃあもう、わからない。というか、本人がどこで何を間違えたのかわかってないのだ。他人の、しかもその場にいなかった私にわかるはずがない。  とりあえず、N子が乗り替え苦手なことはよくわかった。  ハンバーガーとポテトを完食したところで、我々は家を出た。  寒い。  東京でも雪が降るかも、なんて言われていたくらいである。  何故、よりによってこの土日なんだろうか。  まず向かうは、温泉。その名も竜泉寺の湯。  本店は名古屋で、広くて種類のあるお風呂と、岩盤浴やサウナ、のんびりくつろげるスペースもある、大型温泉施設である。  八王子と横浜、湘南、草加、あと仙台にもあった気がする。  他の県は知らない。  N子が岩盤浴に入ったことがないというので、ぜひにと勧める。  人によって好みは分かれるが、私はサウナより岩盤浴派である。  まず、サウナは蒸し暑い。高温なのはよいが、多湿はしんどい。その点、岩盤浴はカラッとした熱さなので、そこまで体力を奪われない。そもそも、温度も50度前後と、サウナよりはずっと低いのだ。  そして何より大事なのが、寝ころべる点だ。  サウナとて、動き回るわけじゃないし、座っていられる。  ところがどうだ、熱い空間の中では、身を起こしているのも案外しんどいのだ。  横になれば、完全に脱力できる。ボーっとして、ただ流れる汗を感じていればよい。ちょっと、うとうとしたっていい(ただし、爆睡にはご注意を)。
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