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現地に到着して、驚いた。人が異様に多い。
実は竜泉寺の湯、12月にリニューアルオープンしたばかりなのだ。
きっとその影響だろう。
入り口でもたつく人を避け、受付に岩盤浴の館内着とタオルをもらう。
手首につけたバンドを機械にピッと当てる。後でまとめて清算する方式だ。
いったん脱衣所に寄って、ロッカーに荷物を置き、館内着に着替えた。
それから、岩盤浴へ向かう。
特にこだわりがないのであれば、先に岩盤浴に行くことをおすすめする。
何故なら、尋常じゃないほど汗をかくからだ。
岩盤浴で温まって、ぐしゃぐしゃになった頭や体を、シャワーでさっぱりと流すのだ。仕上げに温泉でゆったり過ごす。ほら、完璧。
竜泉寺の湯には、何種類か岩盤浴がある。とりあえず、1番広くてスタンダードなところに入った。温度はおよそ45度。
当たり前だが、中は静かだ。かつ、薄暗い。
ここは小石が敷き詰められているタイプの岩盤浴で、ごくまれにだが、通路に小石が転がり出ていることがある。
それをうっかり踏んで、ウギ、と変な声が出そうになるのを、どうにかこらえた。
空いている場所を見つけたら、借りたタオルを敷いて、その上に寝る。じゃりじゃり音がうるさい。
タオルを敷かずに、直に寝るのはご法度だ。痛いとかの問題ではなく、低音やけどをする恐れがある。
タオルを敷いたら、あとは寝転がって過ごすだけだ。
5分ほどで出る人もいれば、20~30分寝ている人もいる。自分が出たいと思ったタイミングで勝手に出ればよい。
ここの岩盤浴にいると、ほぼ100%の割合で、どこからかフゴーといびきが聞こえてくる。
初めて聞いた時は、申し訳ないが笑ってしまったものだ。
いや、訂正しよう。今でも笑いそうになる。
一定のリズムで、フゴーフゴー言うのなら、まだいいのだ。ああ、寝てるんだなと思うだけである。
しかし、その中に突然『ホガッ』とか混じってこられると、ツボに入る。
その後いびきが聞こえなくなると、今ので起きたのかななんて考えて、さらにおかしくなる。
わざわざ岩盤浴まで来て、何を考えてんだか。
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