日帰り温泉&焼肉プロジェクト

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 ここの売りは、高濃度炭酸泉。内風呂の1番大きい、メインのお風呂がすでに炭酸泉なのだ。これは結構珍しいと思う。  大抵、メインは普通の温泉で、炭酸泉はまた別にある方が多いのではなかろうか。  まずは内風呂で温まろう。外に行くにしても、中途半端な状態で行っては冷えて大変なことになる。 「お、外空いてきたんじゃない?」  窓ガラスの向こうを伺って、N子が言った。 「行ってみようか」 「行くか」  移動して、空いていたお風呂に入る。ここも、同じ炭酸泉だった。  他に、寝湯、座り湯、1~2人で入れる壺タイプの風呂など。とにかく種類が多い。全て制覇しようと思ったら、それこそ1日いなければならないだろう。それか、各1分で出るかの、どちらかだ。  私たちはその後、泡たっぷりの(あぶく)の湯(N子は最初、あわの湯と読んだ)、座り湯を堪能した。  この座り湯がまた、気持ちいい。文字通り座るのだが、首のあたりからお湯がずっと流れてくるのだ。  ずっと温泉に浸かっていると、当然だが熱くなってくる。で、半身浴にするわけだが、肩や背中は寒い。でも、肩まで浸かると熱い。  そんな状況に、この座り湯は大変ありがたい。きっと、寝湯も同じ効果が得られるだろう。  1つだけ言わせてもらうと、真冬はやはりちと寒い。秋でもいい。少し涼しいくらいなら問題ない。でも、真冬は少し寒かった。  これはぜひ、春~秋でまた利用したいところだ。  そんなわけで最後、もう1度泡の湯に入って、体を温め直した。  気持ちいい。つまり、体は冷えていたというわけだ。  途中、びゅうっと風が強く吹いた。しかも、私たちが入っているお風呂の方から吹く。遮るものはないし、もろに風をくらってしまった。 「寒っ」  さすがに、肩まで湯に潜りこまざるを得なかった。
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