日帰り温泉&焼肉プロジェクト

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 体は温まり、お腹も程よく空いてきた。  いよいよ本日のメインイベント、焼肉の時間である。  電車で移動し、駅に着き、そこからは歩いて1、2分ほど。  細い路地に入り、しばらく歩くと店が現れた。  焼肉いち。  1階がテーブル席とカウンター、2階が座敷席。あまり広い店ではないけれど、美味しいと評判で、土日は予約しないとなかなか入れない。  2人の私たち、用意されていたのはカウンター席であった。 「よっしゃあ、何食べよう」  有名なのは、ワインバラ。豚のバラ肉をワインで漬け込んでいる。これが柔らかくて美味しいのだ。 「じゃあ、とりあえずそれと」 「タンはいっとくでしょ」 「私、ナムルも食べたいな」 「オイキムチは?」  肉と一緒に飲むなら、レモンサワーかグレープフルーツサワーかで迷っていたN子、飲み物のメニューを見て、あっと声を上げた。 「柚子サワーある! これにしよう!」  あんなに迷われていたのに、突如現れた新星にあっさり敗北したレモンとグレープフルーツであった。  ザッと決まったところで、とりあえず頼もう。土日ということで、席が2時間制と決まっている。食べるなら、どんどん頼まなければ。  頼んでしまえば、来るのは早い。飲み物とお通しのキャベツ(このドレッシングがまた美味しいのだ)、ナムルに肉たち。 「じゃ、乾杯!」  グーっと飲んだ。 「よし焼くぞ」  まずはタンから、焼いていく。  塩で食べるもよし、レモンをつけるもよし。  困ったなあ、どうしよう。  N子は何もつけずに食べると言う。 「その方が肉の味がわかるから。あと、意外と下味ついてるし」  彼女は、1に肉、2に肉、とにかく焼肉に来たからには、徹底的に肉を堪能するらしい。  なるほど、それも一理ある――と思ったが、私はいつも通りレモンで食べることにした。 「美味ああ」  2人してニヤリとした。 ↓焼いているのはタン、皿に乗っているのがワインバラ。  調布なので、楊枝入れに目玉のおやじがいる。ed965797-f39f-4e3b-88a4-5f501e982a1f
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