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肉と酒でふくれた腹を抱え、冷たい雨が降る中、帰宅した。
当然、食べ物など入らない。
あわよくば、甘いものでもなんて考えていた、前日の自分こそ甘かった。
途中寄ったコンビニで(我が家のトイレットペーパーが切れそうだったのだ。いちの予備を見習うべきだろう)ピノを買ったが、それさえ入らない。
2Lペットボトルの烏龍茶をガンガン飲み、その日は眠りについた。
翌朝。まだお腹は空かない。
これは、朝食パスでいいだろう。
東京では、しとしとと雨が降っている。
ところが、N子の地元の日立では夕方まで土砂降り状態らしい。
「嫌だ……夕方に帰ろう」
そんなわけで、お昼だけこちらで食べて帰ることとなった。
今日が雨じゃなかったら、少し足を伸ばして何か食べに行ってもよかった。しかし、こんな天気だ。N子は荷物を持って行かなければならない。置いて行ったとて、また戻って来なければならない。
何より、2人ともそんなにお腹が空いていなかった。
私の住む近所は、ザ・住宅街である。駅前も、これといった飲食店はないし、あってもポツリポツリと個人店があるのみだ。
だから私は、店など端からないものだと思っていたが――。
「くまちゃん、パンはどう?」
「パン? いいよ?」
N子が見つけた店の、場所を見てみる。隣の駅前だが、家から10~15分くらいで行ける距離だった。なんだ、いつも行くローソンの先じゃないか。知らなかった、こんなところにパン屋があるなんて。
かくして、傘を差してパンを買いに行った。
N子は、持ち帰り用に少し多めに買っていた。
私はまあ――来たいと思えば、いつでも来られますから。
家にあった、500mlの牛乳を開けた。
賞味期限が今日までなのだ、飲まなければ。
「あれま、美味しいね」
近所の店を、他県の人に教えてもらう私であった。
↓ハムエッグトーストと、クリームパンと、明日の朝ごはんのクロワッサン。
クリームパンのクリームがドロッと濃くて、私好み。
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